構造的な倍音
環境的倍音に対してマーチンの40番代のギターが持つ倍音は構造的倍音と言えます。
なぜなら新品の時点でも倍音を発生するからです。
しかも横ロゴと同じようなシトカ・スプルースとインディアン・ローズウウッドの組み合わせでも倍音を感じられるのです。それは環境的に響くようになったのではなく,製作時点で倍音が強く響くような構造に作られているからです。
構造倍音の力は絶大です。素材が普通のものであっても,合板であっても倍音を豊かに発生させる事が可能になります。これこそがOTS LABが追求するギターやウクレレの重要な要素と言えます。
これらの原理を応用すれば,ストラディ・バリウスのようなバイオリンがいつかは作れるようになるかもしれません。
どのように構造倍音を発生するのかは近代楽器業界の最大の秘密とも言えるもので,世界中のほんの一部の製作家しか知らない事ではないかと思われます。この点に関するご質問には一切お答えする事ができません。
楽器には何か秘密がある方が魅力的ではないでしょうか。
でもあなたがもしも楽器メーカーで世界中の楽器の音色をもっと良くしたいと考えているならOTS LABとコラボすることが出来ます。ぜひご連絡ください。
環境倍音と構造倍音を判断する方法があります。
一つの基準は基音が消えるか鳴り続けるかです。
28系のサウンドは基音が鳴り続け,その後減衰して行きます。しかしビンテージになるとボディ内部の共鳴が強くなり,基音は鳴り続けて1秒ほどの時差があって2倍音が聞こえて来ます。余韻に倍音を感じるようになります。
しかし構造倍音は基音が消えて倍音に置き換わるように鳴るのです。恐らく基音は鳴っているのですが,倍音はすぐに聞こえて基音を覆い隠すほどの音量でなります。これが構造倍音と言えます。
(1)倍音が聞こえるまでの速さ,(2)倍音の音量で構造倍音かどうかがわかります。
基音が残っていて倍音が聞こえる場合は環境倍音と言えます。
マーチン42,45のように鋭く高音倍音が立ち上がるものは構造倍音でしか作れません。ビンテージなどの環境倍音は余韻の変化に倍音が聞こえるという理解で良いと思います。
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